豪雨が発生するしくみや
豪雨が引き起こす災害から
身を守るための知識を前もって
学んでおきましょう。
豪雨は年を追うごとに増え、それに伴う水害の数も増加し、また規模も大きくなっているのが現状です。
豪雨の原因は地球の温暖化といわれ、平均気温が上昇し続ければ、増加、拡大はこれからも続きます。
豪雨を知り、「水害」という災害から自分や家族の身を守る方法を学びましょう。
自分の住んでいるエリアの
ハザードマップを確認してみましょう。
さまざまな災害について、
被災が想定される区域や避難場所などを表示した地図のこと。
ご自宅の災害リスクや安全な場所を把握することができます。
被災地付近の空中写真・広島市安佐南区 八木付近
※出典:国土地理院
8月19日夜から20日明け方にかけて、広島市安佐北区、安佐南区の狭い範囲に記録的な豪雨が降った。同じ地域に豪雨が長時間降り続く「線状降水帯」によるもので、地形や地質の特性から多数の土砂くずれ、土石流が発生し、未曾有の大惨事となった。
豪雨による水害の被害状況
撮影・写真提供:株式会社パスコ/国際航業株式会社
7月3日夜から31日にかけて九州、中部地方を中心に日本全国に被害をもたらした集中豪雨。特に6~8日にかけて九州では長崎県・佐賀県・福岡県・大分県・熊本県に線上降水帯が幅広く長時間持続し猛烈な雨が降りました。
豪雨による水害の被害状況
撮影・写真提供:株式会社パスコ/国際航業株式会社
前線や台風の影響により、西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的な豪雨が発生しました。河川の氾濫、浸水害、土砂災害等が発生し、平成以降最悪の人的被害となり、この豪雨をきっかけに、2019年3月に内閣府による「避難勧告等に関するガイドライン」が改定されることとなりました。
豪雨による水害の被害状況
恐ろしい災害をもたらす豪雨は主に2種類に分けられます。ひとつは「局地的豪雨」です。
「急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨(気象庁の用語より)」で、
ゲリラ豪雨とも呼ばれます。
もうひとつは「同じような場所で数時間にわたり強く降り、
100mmから数百mmの雨量をもたらす大雨(気象庁の用語より)」で、「集中豪雨」と呼ばれます。
夏、強い日差しで熱せられた地表近くの空気が、大量の水分を含みながら上昇して積乱雲(雷雲)を作ります。この雲が短時間で限られた狭い地域に大雨を降らせます。これが局地的大雨です。
局地的豪雨の特徴
梅雨や秋雨など、前線が停滞しているときや大量の雨水をもった台風の際に集中豪雨が起こります。いくつもの積乱雲が世代を変え線状降水帯となり、同じ場所に居座ることもあります。
集中豪雨の特徴
豪雨の後、山間部では、数日経ってから発生する土砂災害に注意が必要です。
豪雨の増えた日本では、土砂災害による犠牲者が、自然災害での死者の中で大きな割合を占めるようになりました。
大雨により地盤が緩んで起こる災害です。地中にしみ込んだ水が地震や豪雨をきっかけに急な斜面が崩れ落ちるがけ崩れ、比較的緩い傾斜で広い面積で起こる地すべり、山の石や岩が水と一緒にドロドロになり急激に流れてくる土石流などをいいます。
局地的大雨や集中豪雨により、川の水が堤防を乗り越えたり決壊させたりして、溢れてくることが洪水で、「外水氾濫」ともいいます。また、市街地に急激に豪雨が降り、雨水の処理が追いつかない時、マンホールや側溝から水が溢れ出します。これが「内水氾濫」です。こうして溢れた水が、家の中に水が入ってくることが浸水です。
また都市部では保水(遊水)機能が低下してしまいます。
家屋の浸水は、家財を傷めると同時に、泥やカビ、ホコリの心配など、衛生面に関わることが多くなります。
片付けの際の心労も災害といえます。