地震が発生するしくみや種類など、
地震から身を守るための知識を
前もって学んでおきましょう。
日本は世界有数の地震国。つまり、「地震は起こる・起こらない」ではなく、
「いつ起こるのか」という気持ちを持つことが大切です。
近い将来「南海トラフ」「首都直下型地震」などの大規模な地震の発生も予想されています。
あなたがお住まいの地域の地震発生リスクはどうでしょうか?
自分の暮らしている環境をきちんと知り、万一の時のことまでしっかり考えておきましょう。
地震は、地球の表面を覆っている巨大プレート(岩盤)のずれで起こります。プレートには陸のプレートと海のプレートがあり、それぞれがぶつかり合う境目には大きな力がかかります。そして、その力に耐え切れなくなるとプレートが大きく動くなどして地震が起こります。日本列島は、海と陸の4枚のプレートの境目の上にあるため、いつ、どこで地震が起きても不思議ではないのです。
自分の住んでいるエリアの
ハザードマップを確認してみましょう。
さまざまな災害について、
被災が想定される区域や避難場所などを表示した地図のこと。
ご自宅の災害リスクや安全な場所を把握することができます。
画像素材:PIXTA
高さ10mを超える巨大津波が岩手、宮城、福島県を中心とした太平洋沿岸部を襲い、甚大な被害をもたらしました。また、震源から離れた大阪府大阪市などの高層ビル上層階でも大きな揺れが発生。東京湾岸地域では液状化現象が起こりました。
地震の被害状況
出典:熊本災害デジタルアーカイブ
震度7の地震を観測した後、わずか28時間後に再び震度7の地震が発生。同じ地域に連続して震度7の地震が起きているのが特徴的。また、地震発生後から約3カ月、震度1以上の地震が1888回発生しました。
地震の被害状況
写真:毎日新聞
朝の8時前という通勤時間帯に発生した地震であったため、多くの人が移動中に被災しています。鉄道などの交通インフラが利用できず、徒歩で勤務先や自宅への移動を余儀なくされました。
地震の被害状況
画像素材:PIXTA
北海道で震度7を初めて観測。崖崩れや土石流など、さまざまな二次災害が発生した他、道内の主力発電所の停止などにより電力の需要と供給のバランスが崩れ、北海道全域に及ぶブラックアウト(大規模停電)が発生しました。
地震の被害状況
地震にはさまざまな分類方法がありますが、家庭での防災に必要な種類としては、大きく2つあると覚えておきましょう。
1つは、内陸の活断層で発生する地震。住んでいる真下で起こるため、「直下型地震」あるいは「内陸型地震」と呼ばれています。
2つ目は海底で地震が起こり、陸まで距離があるために後で揺れを感じる「海溝型地震」と呼ばれるものです。
また、「直下型地震」と「海溝型地震」とは別に、火山やその周辺で起こる「火山性地震」がありますが、
マグニチュードや震度が小さいものがほとんどです。まれに大きな災害を引き起こすものもあります。
陸のプレートの下に海のプレートが沈みこむことで生じるプレートのぶつかり合いは、長い年月とともに陸のプレート内にもひずみをためていきます。そのひずみが大きくなると、地下の硬くてもろい岩盤が破壊され、地震が起こります。直下型地震は内陸が震源で、いつでもどこでも起こる可能性があり、しかも地震発生からすぐに揺れを感じる場合が多く見られます。首都・東京は直下型地震の心配を常に抱えています。地面が液状化しやすい地域や住宅が密集した地域は、被害が甚大になる恐れがあります。
直近で生じた直下型地震の特徴
海のプレートが陸のプレートの下に沈みこむ際、陸のプレートの端を巻き込んでいくため、そこにひずみが蓄積されます。このひずみが元に戻ろうとはね上がって起こるのが「海溝型地震」です。「海溝型地震」は、巨大なエネルギーが海水全体を動かして津波を起こす可能性があります。また、震源地が陸から遠いため、地震が発生した後に揺れを感じる場合がほとんどです。日本の場合、陸のプレートと海のプレートの境界は太平洋の沖にあるので、被害は震源に近い太平洋側の地域に起こることが予想されます。
直近で生じた海溝型地震の特徴
日本列島には多くの火山があり、地震は火山の噴火やマグマの動きなどによっても起こります。こうした地震を「火山性地震」と呼びます。火山性地震には、噴火に伴って発生する「爆発地震」のほか、噴火を伴わずに火山内部の活動や周辺で起こる地震、あるいは、体に感じないような弱い振動が発生する「火山性微動」など、いろいろな種類があります。
例えば、1914年(大正3年)の1月12日に発生した、鹿児島県・桜島の大規模な噴火(桜島大正噴火)では、鹿児島市街地を直撃するかたちで強い火山性の地震が発生し、火山の噴火そのものによる死亡者と同規模の死者が発生しました。
地震の発生確率にかかるデータは、
「J-SHIS地震ハザードステーション」で
地域別に確認ができます
東日本大震災の津波、阪神・淡路大震災の火事など、巨大地震は揺れによる被害だけではなく、
さまざまな二次災害をもたらします。
地震の後、自宅のある地域ではどのような二次災害が発生する可能性があるのか、事前に把握しておくことも大切です。
例えば、次のような災害が考えられます。